4つの都市を巡る旅(ロンドン編)

旅行

スケジュール、世界一周券

3年ぶりに2週間の少し長い旅をしてきました。今回のテーマは2つ。ひとつは趣味で描いてる絵の参考のために美術館、博物館を巡ること。もうひとつは世界のショーを観ることです。

そのために選んだのは、まず昔から行ってみたかった欧州の南、リスボンとバルセロナ。そして仕事では何度か訪れたけどプライベートで行ったことのない2つの都市、ロンドンとニューヨークです。

普段はエコノミーでしか旅しないけど、コロナで3年海外に出なかったこともあり、長い旅になるのでビジネスクラスで行くことにしました。特に行き帰りはANAが大陸間便かつロンドンなど、主要都市だけに飛ばしているThe Roomというほぼ個室となる仕様のフライトを選びました。その4都市を巡るために、今回は「世界一周券」という地球を一周すれば安くなるというチケットを使ってみることにしました。まあコロナで3年間動けなかったので、何か少し変わったことをやってみたかったのです。

世界一周券は航空会社のアライアンス毎に設定されており、アライアンスの旅行会社だけを使います。またそれぞれのアライアンスで少しずつ旅行条件が異なります。僕は普段使っているANAのスターアライアンスで行くことにしました。

スターアライアンスの世界一周券は自分でWEB上から全てのフライトを予約でき、様々な可能性を試しながら自由な設計ができます。ルートの総額では安くなるのですが、地球を同じ方向に一周する、3都市以上15都市以下に滞在し旅行期間は10日以上必要、トランジットを除き同じ都市に舞い戻ってはいけないとか、様々な条件を満たす必要があります。でも今回は行き帰りで使ったThe Roomの人気が高く、世界一周券に割り当てられた席数が少ないため、そのフライトがすぐに埋まってしまうことが最大の制限だったかもしれません。

僕は普段は日本が梅雨に入った頃に旅行します。この時期は欧米の旅行シーズンの始まりの時期で、天気が比較的良い割に旅行者が少ない点が気に入ってます。ということで選んだ旅程は以下のように、6月15日~29日の2週間で4都市を巡る結構忙しいものとなりました。
6/15 東京ーロンドン (ANA The Room)
6/18 ロンドンーリスボン (ポルトガルエア)
6/22 リスボンーバルセロナ (ポルトガルエア)
6/26 バルセロナーフランクフルト (ルフトハンザ:トランジット)
6/26 フランクフルトーニューヨーク (ルフトハンザ)
6/28-29 ニューヨークー東京 (ANA The Room)

宿泊はリスボン、バルセロナに4泊、ロンドン3泊、ニューヨーク2泊です。本当はニューヨークにも3泊したかったのですが、The Roomが取れる日が少なかったこと、直前にカナダの山火事でニューヨークに外出禁止令が出るほどの大気汚染が出たことなどから、最終的にニューヨークは駆け足の2泊としました。(実際にはニューヨークについた頃には風の流れが変わり、大気汚染のメインはシカゴ周辺となっていました。)

SIM

さて一人旅で頼りとするのは信頼できる通信環境で、海外での選択肢としてはポケットwifi、SIM、eSIMとなります。少し前まではeSIMは対応地域、価格にやや難があったのですが、現在eSIMは急速に普及してきており、端末さえ対応していればeSIM一択だと思います。僕の端末は残念ながらeSIM対応でなく、いまさらポケットwifiでもないのでSIM購入となりました。

次の問題はどこで買うかです。安いと言われるイギリス市中で買うことも考えたけど、今回4カ国を回る要件で適当なSIMを購入できるかどうかいまいち確証が持てなかったので、事前にamazonで購入することにしました。結果Threeという会社の以下のスペックのSIMとなりました。
利用期間:30日
データ量:12G
通話:30分
価格:2,680円

価格面だけを見れば、まだeSIMよりSIMが安価なようです。

今回米国を含む4カ国で使ってみましたが、国を変える際に端末を再起動するだけで問題は全くなかったです。出国時と帰国時に物理的にSIMを入れ替えるのが細かい作業なので、そこだけ気をつければ良いですね。

ちなみに僕の端末はandoidのOPPO 5Aという安価な中国製端末で、カメラ、処理速度はそれなりのスペックがありますが、購入の決めてはFMラジオがついていることでした。というのも僕は普段都内を歩くことが多く、たいていFMラジオ放送を聞きながらぶらぶら歩いているのです。ラジオ機能のない端末もradikoのようなアプリで聞くことは可能だけど、外出時にはモバイルデータを消費するためあまり現実的ではありません。

USB電源

ほとんど使わなかったけど旅行にはUSB電源のノートPCを持って行く等、USB環境は複数必要です。一方、僕はシェーバーは電池式を持参するので、AC電源は不要です。今回持参したのは電源プラグ変換とUSB電源機能が一体化した製品で、数年前に買ったものです。この製品は出力側に3つのUSB-A端子と1つのUSB-C端子、入力側にほとんどの国で使える切り替え式の電源プラグが一体化されています。今回4カ国で使いましたが、急速充電こそできないものの各国で全く問題なく動作しました。現在、この製品は日本のamazonでは売られてないようですが、同種の製品はいくつかあり、少し大きめだけど便利な製品だと思います。

The Room

東京からロンドンはANAのThe Room仕様。従来の大陸間フライトのシート配列が2-2-2に対して1-2-1、つまり翼側なら空間を独占できる仕様で、横の仕切りを立てることによりほぼ個室となり、電動でフルフラットになりゆっくり眠ることができました。さらに個の空間が大きく、大画面パネル、性能の良いノイズキャンセリングヘッドフォンが装備され快適でした。でも14時間のフライトはやっぱり長く映画を4本観ました。黒沢の作品を元にカズオ・イシグロが脚本を書きイギリスでリメイクしたLivingは評判通り優れた作品でした。少し古いけどリーアム・ニーソン主演のサスペンス映画Unknownも、予想できない筋書きで面白かったです。

ロンドンの交通

今回は大英博物館の近くに宿を取ったので、地下鉄ピカデリー線一本でホテルに到着、あの独特な形状のtubeは相変わらず健在でした。事前の調べでロンドンではほとんどクレカ一本で決済できると踏んだので、今回ポンドでの現金はあえて用意しませんでした。ロンドンは3泊したのですが、思った以上にロンドンのデジタル決済環境は進んでいました。地下鉄、ボートなどの交通機関、レストラン、観光施設はもちろん、公園でアイスを売ってるお店なども全て、クレカのタッチ決済が可能でした。以前は観光に必須と言われたオイスターカードなどの交通系プリペイドカードの意義は、現在ほとんどないですね。

ウエストミンスター寺院、Uberの水上バス

6/16、ウエストミンスター寺院から観光をスタートしました。30年ぶりに訪れた寺院は荘厳かつ新鮮な体験でした。

ウエストミンスター寺院からビッグベンの横を通ってウエストミンスター・ピアからUber が運営する水上バスに乗りました。ロンドン塔近くのタワー・ピアまで行ったのですが、ロンドン・アイ、HMSベルファスト号など、テムズ川周辺の景観を船上から楽しみながら移動できるので、なかなか観光気分が盛り上がりました。

ロンドン塔、タワーブリッジ、テート・モダン、オペラ座の怪人

ロンドン塔もほぼ記憶から消えてたけど、まさにイギリスの歴史を代表する観光スポットで、広い敷地内をゆっくり歩き回りました。皇室の宝石のセクションには長い列ができており、そこだけ15分ほど待ちました。ロンドン塔見学の後は、タワーブリッジの透明な床を歩いて対岸に行きました。そこから遊歩道になっているテムズ川南岸を通り、近現代美術を扱うテートモダンまで歩きました。テート・モダンはロンドンでの大きな楽しみの一つで、思った以上に大きな施設でした。ここでは丁度ユニクロが協賛したイベントをやってました。ロンドンの美術館がほとんど無料なのは素晴らしく、収蔵作品をゆっくり見て歩きました。

夜はオペラ座の怪人を見ました。こちらもニューヨークで観て以来ほぼ30年ぶりだったけど、楽曲、踊り、出演者と全てに最高水準の舞台で、1986年の初演以来、このレベルを保っているのが素晴らしい。

大英博物館、ナショナルギャラリー、Back to the future

6/17は博物館、美術館を巡りました。まずは大英博物館。

大きな博物館の大空間で迷いながらたくさんの事物を見ていくのはいつも楽しいです。また僕の絵はたいてい非日常の存在が出てくるので、博物館で見られる様々な事物が絵を構想するときの源泉になる、と信じているのです。各国のセクションでは出身国と見られる観客の比率がやはり高いです。日本のセクションでは百済観音のコピーなんかもおいてありました。

午後はナショナルギャラリー。

ナショナルギャラリーの前のトラファルガー広場で、丁度ライブをやってました。ギャラリーに並ぶ列が結構長くて、待ってる間ライブから漏れ聞こえる音楽を楽しむことができました。歓声がすごくて、これは欧州一般に言えるかもしれませんが、音楽が街にあふれていると感じました。ナショナルギャラリーでは教科書に出てくる絵が次々に観られて楽しいけど、大きさも絵画技術も違いすぎて自分の絵の直接の参考にはならない感じです。ギャラリー内で写生をする子供のグループをいくつか見かけたけど、なかなか良い光景ですね。日本ではギャラリー内での写生はたいてい注意されて無理です。

ナショナルギャラリー見学後は、コヴェントガーデンの北にあるコレクターズショップ「Forbidden Planet」まで歩きました。

あまりオタク趣味はないけど、昔から好きだった米国の古典的SF映画「禁断の惑星」にまつわるグッズ、特にロボットがあれば買いたいと思ったからです。お店は大きなオタクショップで、当たり前のように鬼滅の刃など、日本関連グッズが1/3くらいを占めていました。でも隈なく探し回ったけど、肝心の禁断の惑星に関するグッズは全くなく、残念ながら名前から期待した「Forbidden Planet」に「禁断の惑星」はありませんでした。

ちなみに映画の「禁断の惑星」は、シェークスピアの「テンペスト」をベースにし舞台を未来の宇宙として制作されたもので、ロビイという名前のロボットが登場します。「テンペスト」における妖精の役どころがこのロボットです。このロボットは後にTVシリーズ「宇宙家族ロビンソン」に出てくるロボットのフライデーの原型ともなりました。

またヒロインを演じたアン・フランシスは後に「ハニーにおまかせ」という30分ものの探偵物TVシリーズに主演し、日本では「それいけスマート」という同じく30分もののスパイコメディと連続で放映されてました。どちらも僕の大のお気に入りでした。今思えば、1960年代後半の自分は米国のTVの圧倒的な影響下にあったと思います。

夜は2つ目のロンドンミュージカル「Back to the future」を観ました。

会場はほぼ満員で、男性に圧倒的人気と言われてたけど女性の姿も多かったです。子供が少なかったのは昼の公演があった日なので、子供は昼の部に行ったのでしょう。

原作と異なりマーティがドクより大きかったのはちょっと違和感ありました。しかしマーティとドクの生み出す世界は、楽しさ、懐かしさ、笑いが満載で最高でした。ちなみにオリジナルの映画のドクはマーティより20cm以上大きく、そのでこぼこぶりも物語の意識されない要素だったと思います。ドクの車「デロリアン」が劇場を飛ぶ(かなり飛ぶ感じに近いです)場面では、拍手喝采が起きました。ロンドンに行ったらBack to the futureは絶対のおすすめです。なにより、映画で筋が分かっているので、言葉が多少分からなくても楽しめます。

僕も若い頃は仕事柄、それなりに英語を使ってましたが、現在は劇中の会話で7割程度、歌だと2割以下に理解が落ちます。でも一人での旅行中はほぼ英語だけなので、さびついてしまった英会話も少しはましになったかもしれません。

ということで30年ぶりのロンドン観光は予定通り終了。翌日はリスボンです。

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