北海道の東を旅する

7月 20

7月の初めに北海道の東部を旅してきました。あいにく関東に被害をもたらした低気圧の影響で北海道も天気がいまいちだったけど、数十年ぶりの東北海道を堪能してきました。

丹頂鶴

釧路空港からすぐのところにある丹頂鶴自然公園が最初の訪問地。知らなかったのですが日本の丹頂鶴は1年を通して北海道東部で過ごすとのこと。敷地には20羽ほどが飼育され、ファミリー毎に網で仕切られてました。餌付けがうまくいっているようで網の上は開放されていました。毎年出産があるのが普通だけど残念ながら今年はそれがなかったそうで、幼鳥を見ることはできませんでした。

鶴を見たあとは、釧路市街地への途中に釧路湿原展望台があるので寄ってみました。

ここは展望台と散策路があるのですが、残念ながら展望台からの展望はほとんどないとのことだったので、中には入らずじまい。

釧路和商市場

釧路市街に向かい、海産物で有名な和商市場でお昼にすることに。

海鮮市場の中で先にご飯を買って乗せる海産物を別途注文するスタイルで、お店の人の勧めるままに10種類くらい具を載せて頂きました。お腹いっぱい食べたけど、観光客が少なくて観光気分が出ないのは残念。

その日の午後は雨風が強まる予報だったので早めに宿に入ることにしました。

フィッシャーマンズワーフ

霧雨模様だったけど夕飯前にホテル近くのフィッシャーマンズワーフに出向いてみました。施設の前が岸壁になっているのですが人通りは皆無。施設内もがらんとしておりコロナの影響はここまで来たかという感じ。でも岸壁には漁船が何隻も停泊しており、それはなかなかの見ものでした。

炉ばた

夜は釧路で一番有名らしい炉ばた屋、その名も「炉ばた」に行きました。予約しないと入れない人気店との知人の情報があったので、予め予約して行きました。

ビールはもちろん北海道ローカルのClassic。おばあちゃんが黙々と焼いているのがクールです。

頼んだえびや魚など全て香ばしく美味しく。評判通りのお店でした。

釧路川カヌー

二日目は朝から釧路湿原をカヌーで下るツアーに参加。と言っても個人参加なのでカヌーには僕とガイドの二人で乗ります。

波はなく静かですが水は比較的早く流れています。漕ぐのはもっぱらガイドさんにおまかせし、僕は写真に専念しました。

漕ぎ出すとすぐに鹿が出迎えてくれました。

こちらが今回のガイドさん。

1時間半のコースなので釧路湿原の成り立ちとか見ることができる植生や動物などについて色々と話してくれました。ちなみにブラタモリでタモリが湿原に上陸したけど、そこは通常人が入れないところでまだ自分は行ったことがないとのこと。

この水路は最終的に釧路川に流れ込む源流のひとつです。湿原側には低地が広がり、ハンノキがにょっきり生えていますが、菌により枯れている木も多いとのこと。

今度は鹿の親子と遭遇。

途中で更に細い支流に入ります。湿原の真ん中に来たという感じです。

本流に戻り更に進むと蛇行が強くなってきます。オジロワシはいつも同じところにいるらしく、ガイドさんの予想どおり2箇所で見ることができました。

更に行くとこんどはきつねの子が寝ているのに遭遇。今回持っていったのは400mm相当までの望遠ズームですがちょっと遠かったので手ブレしてしまいました。

少し自分でも漕いでみましたが、ガイドさんがサポートしてくれるし比較的楽に漕ぐことができました。

ちなみにガイドさんに前日のフィッシャーマンズワーフに人気が少なかったことを話すと、それはコロナ以前の問題で、設立当初は結構流行っていたのが賃料の関係で人気店が相次いで離脱したことが原因、ということを教えてくれました。

そんな会話をしているうちに終着点の水門に着きました。時々霧雨が混じったけどなんとか最後まで天気が持ってくれました。シカ、オジロワシ、キツネも観られて大満足のツアーでした。また機会があれば行ってみたいです。

細岡展望台

カヌーツアーの後はガイドの勧めにより、カヌーで下った釧路川が眺められる高台の展望台に行きました。

天気が良ければ阿寒岳が見えるらしいのですが、その日ははるか霧の彼方でした。でもうねった水路はよく分かりました。

釧路市立博物館

天気が良ければその後厚岸湿原方面に行く予定だったのですが、午後になって雨風が強くなる予報だったのでアウトドアはあきらめました。そこで釧路市の博物館に行くことに。

釧路市立博物館は立派な建物でした。

いきなりナウマンゾウが出迎えてくれます。

自然のセクションの展示はなかなか充実していました。

アイヌを含む歴史の展示もありました。

博物館をゆっくり見学し、ホテルの温泉に入ってのんびり過ごしました。

阿寒湖

あいにく3日目も釧路方面は雨予報だったので早めに北上することにし、阿寒湖のマリモを見に行くことにしました。途中の道沿いには牧場がたくさんありました。

初めにエコミュージアムセンターを見学。この付近の動植物の他、マリモや日本最大の淡水魚イトウの展示がありました。

エコミュージアムセンターから湖畔につながる遊歩道を散策。湖畔近くに別府の坊主地獄みたいなボッケがありました。ボッケとはアイヌ語で「煮え立つ場所」という意味らしい。

阿寒湖は記憶よりは大きな湖でした。

きれいに整備された遊歩道を一周。

お昼を食べた後マリモの展示観察センターに行く遊覧船に乗りました。

遊覧船は滝口という狭い水路を航行した後展示観察センターに向かいます。乗客は僕を入れて7名。天気は相変わらずはっきりしないけど雨にはならなかった。

マリモの観察センターはちょっと寂れた感じで、初めに訪れたエコミュージアムセンターに展示されてたマリモのほうが形も元気も良かったような気がします。

帰りの船内にはかなり古い時代に作られたと思われるマリモのテーマ音楽が流れてました。すっかり昭和の気分になったころ船着き場に帰還、鹿の出迎えがありました。

阿寒湖遊覧の後は、阿寒湖から30分ほど走ったところにある小さな湖オンネトーに向かいました。静かでなにもない湖をしばらく眺め、次の宿泊地北見に向かいました。

網走監獄

4日目は網走方面に向かいました。途中に撮影用の駐車スペースが有り、どうやら有名な撮影スポットらしい。確かに北海道らしい風景なので、とりあえず車を停め写真を撮っておきました。天気がはっきりしないので絵葉書のようにはなりません。

網走監獄はとても良く保全、整備された施設でした。

最初に北海道における監獄の歴史と網走監獄の沿革などの展示があります。南下するロシアへの対抗策として北海道に重罪の囚人が送られ、道路建設などの過酷な労働にあたった歴史がビデオなどで語られ、なかなか興味深い内容でした。

敷地内には多くの関連の施設が移設、保存されており、特に等身大人形を使った作業風景等の展示が多く飽きさせない。

やはりメインは放射線状に配置された巨大な舎房と中央見張所。

囚人の様子もリアルで、ここから鉄の意志で脱走を試みた囚人の話も面白かった。

独房もありました。さぞかし寒かったのだろう。

モヨロ貝塚

高台にある網走監獄を見学した後は、網走川沿いにあるモヨロ貝塚を見学。少し天気が回復してきました。

モヨロはアイヌ語で「入江の内、あるいは所」という意味らしい。ここはアマチュア考古学者の米村喜男衛が発見したオホーツク文化の遺跡です。

モヨロ貝塚 wikiから

1913年(大正2年)に網走を訪れた青森県のアマチュア考古学研究者米村喜男衛が発見し、学界に報告した。発見した土から縄文文化ともアイヌ文化とも異なる文化の存在を知った米村は、網走に住むことを決めて米村理髪店を開業し、傍らで遺跡の調査と研究に携わった。大正時代には、この遺跡の文化が北方的な独特のものであるということ以上はわからなかった。1933年(昭和8年)に、オホーツク海の南沿岸に広がるオホーツク沿岸文化が、同時代の北海道の文化と別個のものとみなされるようになった。今日いうオホーツク文化である。

入場者は僕一人なので係の人からゆっくりと謎のオホーツク文化の説明を受けました。ここでは20個ほどの竪穴式住居、100体を超える人骨と多量の土器、石器、骨角器、金属器などが出土。土器の形式からもあきらかに縄文、続縄文とは異なる文化があったことが分かりますが、アイヌとの関係やその後の消息については分からないことが多いらしい。アイヌと同様、熊が神聖視されていたようで熊の頭部をかたどった石の像がかわいい。

北の海の狩猟民の様子がミンククジラ骨格などと共に展示されていました。また頭に瓶をかぶせる独特の埋葬方式も興味深い。

最後に屋外の竪穴式住居を見学。内部には入ることができなかったけど、なぜか水鳥が竪穴の中にいました。

今回の旅行で訪れた遺跡はここだけだったけど、謎のモヨロ人とオホーツク文化に触れられて面白かったです。

小清水原生花園

天候に恵まれてたら本当は小清水峠から藻琴山に登る予定だったけど、天候が完全には回復しないので山ではなくて海岸沿いの小清水原生花園に行くことにしました。ここは翌日に予定するワッカ原生花園ほど大規模ではないものの網走国定公園の一部を構成する原生花園があります。

原生花園は釧網本線の原生花園駅の海側に広がっていました。

エゾキスゲが時期を過ぎてたけど少し残ってました。

エゾスカシユリも橙色の花を咲かせていました。

花は少なかったけど海辺の展望台からは知床連山などが展望できました。

北見ハッカ記念館

いよいよ最終日です。せっかく北見に泊まったので、北見唯一の観光名所と思われるハッカ記念館を朝一に訪問しました。

小さな施設だけど戦前は世界の7割のハッカを生産していた歴史とその製造工程が保存されています。

ハッカは製品に応じて何種類か栽培されており、実際に手にとって匂いの違いを体験しました。

これはハッカの結晶。

古い製造機械を見るのは楽しく、今でもサンプル的に少量の精製が行われています。北見は観光都市ではないですが、もし近くを通ることがあったらこの記念館に寄ってみるのも面白いと思います。

ワッカ原生花園

今回の旅行でカヌーツアーと並んで楽しみにしていたのがワッカ原生花園でした。

wiki ワッカ原生花園

ワッカ原生花園(わっかげんせいかえん)は、北海道北見市常呂町にある原生花園である。2001年(平成13年)10月に北海道遺産に選定された。北海道サロマ湖(網走国定公園内)のオホーツク海側の砂州にあり、ハマナス、エゾスカシユリ、ハマヒルガオ、ハマボウフウなど300種以上の草花が見られる。砂州には大町桂月により龍宮街道と名付けられた道が整備されており、ワッカネイチャーセンターのレンタサイクルでサイクリングができる。

ということでワッカネイチャーセンターでレンタサイクルを借り龍宮街道を西に向かいました。天気はほぼ回復しています。

気持ちの良い道を「ワッカの水」という天然水が出るところまで走りました。その後龍宮街道を今度は東に走りました。

残念ながら花はほとんど終わっていましたが、小清水原生花園で見たエゾスカシユリやカワラナデシコはまだ見ることができました。

花は少なかったけど念願のサロマ湖とワッカを走ることができて良かったです。次は花のあるときに是非来たいです。

お昼は東北海道名物のホタテのカレーにしました。

美幌峠

女満別空港からのフライトは夕方でまだ時間はあります。本当は藻琴山に登り屈斜路湖を眺めたかったけどさすがにそこまでの時間はないので、最後に美幌峠まで車を走らせ展望台から屈斜路湖を眺めることにしました。

美幌峠から見える日本最大のカルデラ湖屈斜路湖はとても雄大で、5日間の北海道旅行を締めくくるに相応しい眺めでした。

藻琴山は美幌峠より更に500m近く高いのでさらに素晴らしい眺めが見れると思いますが、それもまた次の宿題にします。