舟越桂 「私の中にある泉」展

今日は絵画教室で教室の展覧会に出す作品を最終化する予定でした。ずっと制作に従事しているわけでは決してないのですが、最終段階に来ると制作以外の事柄が疎かになり、ブログの更新とかSNS関与が消失してます。

色々と変遷を繰り返してきた絵ですが、本日最後の修正を行い絵としては完成しました。後はサインを入れて額装すれば良く、今回はサインの代わりに父親がずっと前にくれた石材の印鑑を押す予定でした。しかし実際は硬い石の印鑑だとでこぼこしたキャンバスにうまく印影を付けることができないことが判明。色々と打開策を考えているうちに時間切れとなってしまいました。

午後は額装に持っていくつもりだったけど諦めて、渋谷の松濤美術館で開かれている舟越桂の「私の中にある泉」展に行くことにしました。恵比寿から美術館まで30分くらいなので歩くことにしました。

自分は絵画は好きで良く展覧会には行くのですが、立体の造形とか陶芸とかはほとんど興味がありません。でも彫刻家の中で舟越桂だけはなぜか特別で、大好きな作家なのです。

今回の展覧会は初期の作品が中心でした。彫刻のまえに描いたドローイングも同時に展示してありました。知らなかったのですが舟越が最初に依頼を受けて制作した作品が、先日訪れた函館のトラピスト修道院の聖母子像だったそうです。初期の作品は後の代表作の「スフィンクス」とは異なり、身近な人物を題材としていました。

最も初期のものから作品の力は圧倒的でした。初期の作品は特にそうなのですが、その人物が物想うように遠くを見つめる。改めてこちらに声をかける。その移行の一瞬を捉えているように自分には思えます。

今回気づいたのは、舟越桂の彫像の目はその人物が相対する我々に焦点があってないことです。焦点はむしろずっと遠い、永遠に向かっており、ときどきふと我に返って我々に話しかけるのです。

展覧会では初期の作品の他、スフィンクスにつながる後期の作品や自画像などのドローイング、更に著名な彫刻家である父親、詩人の妻、見事な絵画作品を生み出している弟の作品もありました。また彼が子供のために作ったおもちゃ、絵本など、さらにスフィンクス誕生を語る自身の映像など、興味深い展示がありました。

大規模な展示ではないですが、今回の「私の中にある泉」展は自分にとって今年のベスト展覧会でした。

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