昨日の入笠山スノーシュー山行が雪で中止となったので、かねてから見たかった映画「ソーシャルネットワーク」に行ってきた。さすがにアカデミーに何部門もノミネートされている作品である。場面展開は少いしスペクタクルな場面は皆無なのだが、息もつかせぬテンポで一気に最後まで突っ走ってしまう。
Facebook創設で最年少の億万長者誕生までのサクセスストーリーというメインのストーリーがしっかりしているが、中でもITビジネス立ち上げのスリルとスピード感が凄い。ハーバード大学に集うエリート達の競争やクラブの生態も興味深い。
僕が最も面白いと思ったのは、主人公が東海岸のハーバード大の学内SNSとして立ち上げたFacebookの拠点を、西海岸に移す場面だ。反対する共同経営者に主人公は「全てがここで起こっている」と宣言するのである。
そう、まさにシリコンバレーこそ「全てが起こっている」と言ってもさしつかえのないところだ。もはや現代は色々な意味で「ソフトウエア」がキーの時代になっている。もちろん日本には「ものつくり」という要素があるかもしれない。だが、今の日本にはソフトウエアだろうが、ものつくりだろうが、シリコンバレーのようなダイナミズムとスピードが決定的に欠けている。
大企業を目指す日本の大学生は、就活という目の前の現実に忙しいだろう。だからこの映画は日本の高校生や中学生に見て欲しい。そして自分から何かを起こして欲しい。もし、何も起きそうになかったら、何かが起こるところに旅立てば良い。残念ながら、彼らの時代に日本の大企業の勝ち残りに賭けるリスクは、起業と同じくらいかそれより大きいかもしれない。
P.S. そういえば発表会で話す機会のあったPogoplugのCEOもCTOも、30代前半と思われる。彼らの若さと行動力がうらやましい。ちなみにCEOはPogoplugのアイデアを、Apple Storeで思いついたとのことだ。スティーブ・ジョブズ以来のベンチャー精神は、まだ健在である。
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