絵の教室で講師の方に具象表現の参考になるからと勧められ、竹橋の近代美術館で開催中のピーター・ドイグ展に行ってきました。
ピーター・ドイグって講師に勧められるまでは全く知らなかったのですが、現在の具象ではかなり有名な画家のようです。自分としては油絵の技法的な参考になればと思ったのですが、新たな絵画技法やモチーフを開発したというより、普通の風景を謎めいたあるいは懐かしいものに変貌させることに卓越した画家でした。初期の作風は象徴主義的ですが、すでに巧妙に現実を変形させています。
自分は山のモチーフが多いですが、ドイグはカリブに居住した経験から海辺の風景が多いです。でも風景写真などから構想した絵が多いようで、自分で撮った写真を用いる自分には参考になります。
カヌーのモチーフが多いようです。
色彩は一部鮮やかだけど全体は幻燈で包まれたような雰囲気です。
象徴的でありかつ構成的な作品もありました。
最後に自主上映のための映画のポスターが40点ほどありました。古い作品が多く、小津の東京物語など日本の作品もあり、なかなか面白かったです。
ピーター・ドイグはすぐに自分が何かを取り入れられるというタイプの画家ではなかったですが、写真的イメージなどの断片から現実を再構成する方法論が垣間見えたことは良かったです。
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