考古学を科学する会

歴史

今日は会社を定時に退社して、久しぶりに「考古学を科学する会」の講演を聞きに行った。考古学関係の民間の会では安本美典先生主催の「邪馬台国の会」に昔良く行っていたが、最近はリタイアした専門家が集り、専門的な議論が行われる「考古学を科学する会」に顔を出している。

今回のテーマは「年輪年代と炭素14年代の整合性ー100年遡上論の検証」。日本の考古学を大きく誤らせている年輪年代法と炭素14年代法による年代推定の問題点に本格的な検証で迫ったもので、聞き応えがあった。今回は講演者の方がA4で40ページ近い資料を用意してくださった。講演時間が1時間半しかないので、ポイントだけ押さえて講演しておられたが、このテキストがあれば後でデータを各自、解釈することが可能である。

問題は、年輪年代法の鳴り物入りの登場から日本の古代史、特に弥生時代が100年ほど古く修正されたことだ。そしてこの100年遡上がなければ、巷に喧伝されている纏向が邪馬台国であるという結論はほぼ成りたたなくなる。裏を返せば、邪馬台国畿内説にとって、100年遡上の誤りは決して認めてはならないのである。今回の講演は、当時用いられた年輪年代法の試料的な誤りをつぶさに検証するもので、問題のない試料を使えば、100年訴求という結論が誤りであることが自明な内容となっている。

この問題は実は広く知られており、心ある考古学者は皆100年遡上論には懐疑的である。今回データを見て、僕も100年遡上論というのが科学的に全く成り立たないことを確信した。

ところで、写真は僕が撮ったものでなくて、Creative Commonsで利用が許可された写真である。手持ちに適当な写真がないときは、WEB上から検索してすぐ使えるのはうれしい。もちろん最後にクレジットは「photo by」という形で記載している。

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