国立映画アーカイブ

「ポーランドの映画ポスター展」という少しマニアックな展覧会に行ってきました。この展示はポーランドとの国交樹立100周年を記念して企画されたもので、国立映画アーカイブという京橋の施設の7階で行われていました。

この施設は初めて訪れましたが、日本のフィルムリソースを収集、管理し教育活動などを行っているようで、下の階では古い映画の映写も行われていました。

常設展示では比較的コンパクトなスペースに日本の映画の黎明期から昭和にかけての様々な事物が展示されていてなかなか面白かったです。こちらは日本人によって撮影された現存する最古の動画「紅葉狩」。実際に動画を見ることができます。

その他にもいくつも貴重な古い映画が繰り返し上映されていますが、2018年に新しく開設された施設のためか訪問者が非常に少なく、どの映像もゆっくり見ることができました。

これは戦前の大スターのシルクハット。

これは映画監督、溝口健二のデスマスク。

その他、日本映画史を彩る著名な映画のポスターとか撮影機器などが展示されており、戦争の前後にはいくつもの映画会社が存在したようで、時代を感じさせる展示が並びます。

 

こちらは満州の映画雑誌。歴史を身近に感じます。

こちらは現存する日本最古のアニメーション作品である「なまくら刀」。

トーキーを経て最後にはゴジラが登場します。ゴジラは白黒映画だったのですが、ポスターは天然色ですね。

展示はそのまま「ポーランドの映画ポスター展」へと続きます。個人的にはこちらの方が面白かったのですが撮影禁止なので画像がありません。とても才能のあるイラストレーターが何人もいたようで、優れた作品が100点近く展示されていました。

最初のセクションはポーランド映画のポスターで、象徴主義や構成主義的手法が多用されていてとても興味深い。でも実はその先の海外映画ポスターが断然面白かったです。というのもかつてポーランドでは海外映画のポスターは映画制作元がそのまま提供することが禁止されていたようなのです。だから当時のポーランドではイラストレーターが海外の映画を観て、その印象でポスターをオリジナルとは独立して作った訳です。

日本からの作品では黒澤の「七人の侍」とか「用心棒」など、比較的新しいところでは「新幹線大爆破」や「メカゴジラの逆襲」など、全く新鮮な感覚の作品が並びます。ゴジラはやっぱり人気なんですね。

日本以外もヒッチコックの「めまい」、ルイ/マルの「地下鉄のザジ」、「明日に向かって撃て」、「ウエスト・サイド物語」などの名作のポスターが全く別の感性で作られ、だんだんSFの平行世界を訪れたような感覚になってきます。

これは予想ですが、すぐ近くに旧ブリジストン美術館が新しくアーティゾン美術館として開館したばかりなので、この施設との抱き合わせで来場する人が一気に増えるのではないかと思います。映画あるいはポスターに興味がある方は今のうちに行ってみることをお勧めします。