久しぶりに予定がない週末だったので、目黒の庭園美術館で開催されている有元利夫展に行ってきた。有元利夫を見るにこれ以上の場所はない庭園美術館での開催であるし、作品数も多くて満足できる展覧会だった。
有元利夫が38歳で夭逝してもう25年になるそうだが、彼が絵の中に創造した絶対的な過去の空間は時が忍び寄るのを拒絶している。会場に一歩足を踏み入れた時から、彼の好んだバロック音楽が頭のどこかで鳴り始め、決して止むことはない。
彼の秀作の一部が展示されており、そこに手描きのメモがあった。僕は芸術家が書く字に興味があるのだが、彼の書く文字はいたって普通で、エキセントリックなところは微塵もない。簡略と抑制の中に普遍の時間を表わそうとした、有元利夫らしい字といえるだろうか。
丁度昼過ぎに見終わったので、庭園を散歩した。西洋庭園と日本庭園がある。
連接するレストランで昼食を取って帰ったが、ここは定食がおすすめである。
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