スズキコージとKveta Pacovska

子供にとって世界とは未知であり、果てしないものであり、不可思議なものだ。そこには規律や組織がなんかあるらしいが、漠然としてる。その秘密を求めて男の子は子供部屋から未知の世界の冒険に乗り出す。「ブラッキンダー」はまさしくそうした物語だ。

スズキコージは子供の世界観のまま大人になった。そして絵本作家になってからも子供のままの冒険を続けている。細かい事を言えばコラージュの技術が多少うまくなったとか、物語構造が多少洗練したかも知れない。だが、スズキコージはいぜんとして、乱雑で未組織の子供部屋に住み続けている。スズキコージは永遠の男の子である。

少し前に読んだチェコのKveta Pacovskaの「小さな花の王様」は緑と赤の絵本だ。そこには繊細なデフォルメと、シンプルだがはっとする色彩の組み合わせがある。Kveta Pacovskaは永遠の女の子である。

このふたつの絵本を見るかぎり、異なった世界に住む少年と少女が出会うことは困難に思える。だからこの世には魔法が必要なのである。

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