明治天皇の一日

先日「Queen」というダイアナ妃の死に翻弄されるイギリス王室を描いた映画をDVDで見たのですが、これがとっても面白かったです。主演のエリザベス女王を演じるヘレン・ミレンもよかったけど、トニー・ブレア夫妻の役者が本物そっくりでした。ちなみにダイアナとクリントンは実写の画像で出てきます。

映画の中で、女王が広大な私有地を一人、ランド・ローバーを運転しなんと川を突っ切っていこうとして故障して助けを呼ぶ場面があります。また首相に就任したトニー・ブレアが女王に挨拶に行くのですが、女王とブレアが侍従とかいない部屋で、二人だけで話し込む場面がありました。

このように女王が一人で行動するなんて、日本の皇室では考えられないので、日本とイギリスの違いに興味がわきました。もし天皇がひとりで行動して(このこと自体ありえないが)助けを呼んだ、などということが起こったら、まずまちがいなく関係者の首が飛びます。少し時代がさかのぼれば、文字通り首が飛んだことでしょう。

そこで図書館で天皇の日常を描いた本「明治天皇の一日」(新潮新書)があったので、読んでみました。庶民に近くなった現在の天皇とはまた違う絶対君主としての天皇像なのですが、それでもがんじがらめのしきたりの中で生きる姿が印象的でした。公的な存在としての姿は大きく変わったが、皇居の中の私的な(そもそも存在そのものが公的だけど)生活はおそらく現在もそれほど変わらないのではないかと思います。

もし日本で現在の天皇を題材にした映画が作られたらと考えてみたくなりますが、おそらくそんなことは公式に禁止されなくても、誰も公式に反対しなくても、絶対に起こりえないでしょうね。「ミカドの肖像」にも描かれた不可視の法律がある国、それが日本という国だと思います。