物語論

今の若い人は情報を仕入れることに興味があるみたいだけど、私は情報というものを仕入れないんですよ。
専門的な情報を集めてものを見るというのは「何かをわかるための鍵がある」と考えているから出てくる行動でしょう?でも、私はそういう鍵を持たないままで、セーターの毛玉をほどいて玉を作って行くみたいなことをしているんです。

これは木村俊介という稀有なインタビュアーが17人の作家にインタビューした記事をまとめたもの。小説家、映画監督、現代美術家、バイオリニスト、ウェッブデザイナー、漫画家、音楽プロデューサーなど、その世界の第一人者が顔を揃える。小説家が6人と多く、村上春樹も含まれており、それぞれに興味深い物語論を語る。

ひたすら作品論を語る作家もいれば、自分の歴史を語る作家もいる。自分が作品を作るための条件や方法を解説する作家もいる。それぞれに考えも作家観も異なるのだが、作品を創りだすということが作家のぎりぎりの営みであることだけは共通している。

ところで最初の言葉は橋本治である。

橋本治は何を語っても常にどこか新しい。この人が何かを語る時は、新しいものを惜しげもなく吐き出す。それなのに新たな著作ではまた新しい橋本治が語り始める。いつものように惜しげもなく。

やはりこの人は別格である。

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