それでも僕は「現場」に行く

野口健という人は富士山の清掃活動で知っている人も多いと思うが、一流のアルピニストである。野口氏が清掃活動を始めたきっかけは、エベレストでの外国人登山家からの一言にある。その登山家は「ヒマラヤを富士山のようなゴミだらけの山にするのか?」と彼に問いかけたのだが、それからのエベレストや富士山での彼の熱い活動がすごい。

エベレストで清掃活動をするということがどのようなことか。それは想像を越えた過酷なことだとしか言いようがない。僕のようなへなちょこ登山者は、ただただ頭が下がるだけである。

野口健氏は清掃活動以外にも旧日本軍の遺骨収集活動などを行なっており、たぶん様々な誹謗中傷が浴びせられているのだろうと想像する。だが、彼の行動はイデオロギーとは無関係なところに存在すると思う。それは常に物事に「現場」で正面から向きあい、困難な課題を自らに課し、人々を巻き込み、何事かを成し遂げる勇気と意思である。

熱い共感と向こう見ずな挑戦、そして人並み外れた腕っ節の強さ。失礼ながら、僕は野口健は21世紀の「森の石松」だと思う。僕は野口氏のことを心の中で、大いなる尊敬を込めて、そう呼んでいるのである。

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