短編コレクションⅠ

僕も昔は文学全集を読んでいた時期もあったが、最近はさすがにご無沙汰している。しかし、この前図書館で目に止まったのは装丁の色使いがきれいな文学全集だった。見ると刊行は2010年と新しい。

その中の短編集を借りた。北中南米やアジアの短編から比較的最近の作品が20編ほど集められており、変わりゆく世界を新たに切り取ったような感覚がある。かといって大御所のP.K.ディックなんかも収められている。

その中でも僕が最も面白いと思ったのは、日本の作品だった。目取真俊 「面影と連れて」は、海洋博で開発が進んだ頃の沖縄を背景とした作品だ。純粋のリアリスムでもなく、ファンタジーでもない。それらが交錯するような一人語りの展開の中に、沖縄の古来の死生観と本土への複雑な感情が織り込まれており、作者のストーリーテラーとしての力量を感じた。

この本、通勤時間にほとんど読んだが、車内でピンクの分厚い本を広げるのはちょっと恥ずかしかった。その内に短編コレクションⅡも読んでみたい。(こちらは黄色だ・・・)

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