アンティキテラ 古代ギリシアのコンピュータ

2月 19

1901年にエーゲ海のアンティキテラ島近海で、海綿取りのダイバーが回収した不思議な青銅製の機械。少なくとも30個の歯車で構成された、現代の機械時計のような精巧な仕掛け、朽ちて腐食が進んではいるが、数カ所に古代ギリシア文字がかろうじて残る。そこからこれが何らかの時に関連する機械であることは最初の段階で分かっていた。だが科学史上、時計の出現はそれから約1千年の後である。もしこれが時計だとすれば、いったい誰が作ったのか、そしてなにより、その発明はどうして後世に継承されなかったのか。これはその謎と謎に魅せられた人々が織り成す上質のミステリーである。

この機械の発見後、何人もの科学者、研究者がその謎にいどんできた。そして調べれば調べるほど、この機械が予想を越えた複雑さと精密さを備えていることが明らかになってくる。数々の挑戦と多くの失意の後、2006年についにその謎がほぼ解明される。

ところでこの本は先週の日曜日、つまり皆既月食の翌日に、赤レンガ図書館の新着図書コーナーで見つけたものだ。このような最新の人気作が手に入るのは珍しいことだが、その時は面白い本が手に入ったという気持ちしかなかった。しかし、1週間かけて読み終えた今、この謎の機械が、月食と深い関わりがあることが分かった。

時々、僕の回りには共時性が渦を巻いていると直感することがある。あるいはこのちっぽけな出来事も、2千年前にこの機械のどこかに予言されていたのかもしれない。

歴史

Posted by artjapan