マンキューの入門経済学

最近読み進めているのがこの本。経済学の定番であるマンキューの経済学ミクロ編およびマクロ編から内容を入門用に絞り、分かりやすく再編集したものだ。

なんで技術屋の僕がこんな本を読んでいるのかというと、ひとつには政治の劣化を見かねたことがある。政治というものは最低限、経済がわかっている人がやるべきだというのが僕の考えだ。これは資本主義の世界に生きている限りは当然のことだと思うのだが、現実の政治においては、たとえ我が国の財務大臣でさえその経済知識は限りなく怪しい。

経済学というのはとかく難しい数学が出てくるわりには役に立たない不安定な代物だと思われている。最先端の経済学の研究は実際そう思われても仕方ないところも多いが、基本的な理論は実は社会の諸問題に対応するための思考の枠組みとして安定的で強固だ。そしてそれらは人間というものの行動を徹底的に研究し、科学的な方法論から生まれたものである。

この本の最初には経済学の10の基本原理が書かれている。例えばその第一は人々の意思決定の枠組みとしての「トレードオフ」の概念である。経済学者がよく言うのが、「無料の昼食(フリーランチ)などというものはどこにもない」ということだが、これは「世の中には自分の好きなものを得るためには、たいてい別のものを手放さなければならない」というトレードオフの現実を、別の形で表現したものだ。

そして「世の中はフリーランチで溢れている」という考えをマニフェストにして政権を得たのが、ほかならぬ民主党だった。これが全く誤った考えであることは、今我々がその選択の結果としてこうむった「焼け野が原」とも言える政治状況で学んだところだ。

この本には10の基本原理の解説の最後に簡単なテストがある。これは断言してもよいが、民主党のメンバーはこれらの簡単なテストの半分も正答することができないだろう。なぜなら、経済学が現実を科学する学問であるのに対し、民主党とは現実を見ない思考が支配している政党だからだ。

かといって現状で我々に良い政治的選択肢がある訳ではない。だが政治が国民のレベル以上のものにならないという前提に立てば、国民が自分でこつこつと学習していくしかないのではないだろうか。

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