岡本太郎展

日常の写真

震災で直接の影響を受けたわけでもないが、かといって明るい気分にはならない。自粛ムードは良くないと分かっていても、皆回りを見渡して静かにしていなければならないような空気が充満している。そうだ、こういう時はあの人に会いに行こう。ということで、竹橋の近代美で開催されている「生誕100年記念 岡本太郎展」に行ってきたのであります。

川崎の岡本太郎美術館からの出展を中心に、太郎ファンにはおなじみの作品が勢揃いという感じ。雨模様だし、すいているかなと思ったのだが、結構混んでいた。それも意外に若い人が多い。

会場では、絵画、写真、彫刻、TV出演のビデオなど、岡本太郎の多彩な才能が文字通り「爆発」していたが、一番人が集まっていたのは太郎がTVカメラを前に万博のコンセプトを熱く語る場面だった。岡本太郎はまさに、生ける芸術だったのだ。

今人々は時代の不安の真っ只中にいる。確信や答えは誰も持ちあわせていない。こんなとき人々は、もし太郎なら、と考えてみたくなる。太郎なら答えを知っていると思ってしまう。岡本太郎という存在は高度成長時代のアイコンとして認知されたが、あるいは不安な現代の司祭にこそふさわしいかも知れない。

せっかく竹橋まで来たので、帰りは北の丸公園から九段に抜けた。

 

 

 

桜は丁度満開。あいにくの天気だが、田安門のあたりは桜見物の人であふれていた。

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