赤い風船

クリスマス・シーズンということで、このブログにもしばらく雪を降らせることに。

いつも聞いている科学PodcastのScience Fridayで、米国のDARPA(国防高等研究計画局)で開催した風船探しコンテストで、見事賞金4万ドルを獲得したグループへのインタビューが放送されていた。

コンテストのルールは米国各地に赤い風船を10個飛ばせて、それを最初に全て発見したグループが勝ちというもの。興味深いのは、勝者となったMITの行動心理学の研究者グループの戦略である。とにかく広大な米国で探索を行うわけだから、組織化が重要となる。まず彼らは一般から賞金の分配を条件に協力者を募った。そしてそのネットワークを広げることに貢献した人にも分配を行うこととした。もちろんTwitterやFacebookなどのSNSを駆使して組織化を行った訳である。分配のルールは経済学専攻の研究者が検討を行ったとのこと。

MITのグループが自発的な組織をいかに効率的に立ち上げるかというポイントに着目した点で、勝負があったと言える。アフガン等の外国でいかに協力者を得て軍事的ミッションを遂行するかというような研究目的があったのだろうが、風船という仕掛けが洗練されている。

独創的な研究というものは、いかにも科学ですというような仕組みからだけ生まれるものではないことを、この例は教えてくれている。

もし日本で同じことをやると、残念ながらまず間違いなく事業仕分けされるだろう。

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