Markup Language

伊藤計劃氏の「ハーモニー」という小説が、故人として初めて第30回の日本SF大賞を受賞したというニュースを読んで、これは読むべき本だと感じた。理由は良く分からないが、時々直感的に読む本を決めることがあるのだ。

この本で特徴的なことは、文が時々Markup Languageつまりコンピュータが理解できる形式の文章に変わることだ。ちなみにこのWebページを記述しているのも、HTMLというMarkup Languageの一種である。直接的な手法だけど、全てがインターネットに収束する虚ろな時代が文章の中に浮かび上がって興味深い。

本は昨日読み始めたのだけど、今日はW3Cというインターネットの標準化団体の人が人間の感情を記述するEmotionMLというMarkup Languageを開発しているというメールをよこした。例えば表情を示すことができるロボットができたとしたら、その表情をこのEmotionMLで指示することができるのだ。

このふたつの事柄は関係ないと考えることも可能だろうが、僕はこれをある種の共時性だと感じるのである。ハーモニーという小説がどんな物語を紡ぐのか分からないが、リアルな世界と小説とが交差するという感覚で読み進めるというのも一興だと思うのである。

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