時計仕掛けのハリウッド映画

やっと引越しが完了しました。僕は新居に最低限の荷物と共に去年から移ってたのですが、今回は家族と家財を含めた引越しだったので、結構忙しかったです。

箱詰めとか家の売却とかの合間に、「時計仕掛けのハリウッド映画」なる本を読みました。一言で言えば、ハリウッド映画がほとんど3つのアクトからなる構造で作られているということを、有名な映画を例に解説しています。でもアメリカ映画って、全てがこのように即物的で現実的だっただろうか?

そもそもアメリカ映画といっても何もないところから突然できた訳ではなく、米国の成り立ちがそうであるように、欧州の文化の延長線上にあるという歴史的側面があると思います。それからアメリカ映画にも文学の影響、特に推理小説の影響が大きいと思うのです。そのような背景とか歴史とか、表に見えない部分を踏まえるか否かで、評論というものの説得力が全く異なるとおもうのですが、アメリカで脚本や映画制作技法を学んだという、芦川いづみと飯富崇生、このふたりの著者は、この3アクト法則のみでこの本を終始するのです。

要するに著者は映画のように3アクト法則で、この本を仕上げたということなのです。結果としてアメリカ映画の最もつまらない部分を、拡大して教えてくれたという感じでしょうか。

確かにアメリカ映画には、大量生産品のような流通商品としての要素が大きいでしょうし、それらが一般的に3アクト法則に則っているかもしれません。でも僕は良い映画を構成しているのは、むしろそれ以外の要素だと思うのです。それは物語であるかもしれないし、神が宿るという細部であるかも知れない。

それがなにか?は少なくとも僕は知りません。残念ながら著者も分ってないと思います。それが分っていれば、彼らも今頃、このような映画の解説本を書いてたりはしないと思うのです。