東京都写真美術館コレクション展

6月 2

今日は天気が良いにもかかわらず、恵比寿の写真美術館に出かけました。後から思えば梅雨晴れの今日のような日こそ山に足を運ぶべきだったのかもしれないが、まだリタイア生活の自由さに慣れてないということでしょうね。

写真美術館
写真美術館

でも写真美術館のコレクション展は面白かった。特に評判になってる展覧会じゃないけど、面白いに違いないと踏んだ僕の予想を超える面白さでした。「写真のエステ 五つのエレメント」と銘打った展示は、写真表現を光、反映、表層、喪失感、参照の五つの要素で捉えなおそうとするものです。最初の「光」では僕のお気に入りのロランバルトの言葉から始まります。

「消滅してしまった存在の写真は、ちょうど星からの光が遅れてやってくるように、私に触れにやってくるのだ。」

ここでは川内倫子の作品が目を引きました。大胆に対象を切り取るのだが、技巧的なところを感じさせないのは自然の光の使い方がうまいからかな。

「反映」では、あの有名なアンリ・カルティエ・ブレッソンの「サン・ラザール駅裏」のプリントを、初めて見ることができました。写真集などでは何度も見ているが、やはり本物はすごい。奇跡の写真ですね。

「表層」では、エドワード・ウエストン、アンセル・アダムス、マン・レイ、森山大道など、大御所の写真も良かったが、それに混じって幕末から明治に海外に流通した彩色写真であるいわゆる「横浜写真」が面白かった。ちなみに横浜写真はipad展示でした。

「喪失感」では、僕自身の記憶にかかわる写真がありました。それは1985年に筑波で開催された「国際科学技術博覧会」の閉会後、解体を待つ観覧車が写された写真です。筑波博には僕が働いていたKDDという会社もパビリオンを出していました。そこで僕が開発に携わっていた海底ケーブルの展示を行っていたので、当時一緒に開発を行っていたベル研究所のメンバーを、展示ブースやKDDパビリオンの目玉だった観覧車に案内したのです。KDDパビリオンの観覧車は軸を傾けたタイプだったのですが、真夏でゴンドラが暑かったこと、会場にいる間は仕事の話はやめようとベル研の人に言われたことなど、当時の記憶が蘇りました。

観覧車の写真が喚起した30年という時の経過にかかわる感情は、必ずしも「喪失」という一言では尽くせないものでしたね。

日常の写真

Posted by artjapan