物語が勝負を分ける

今日は天気不良でOWCの山行が中止。ゲストさんが3人も参加予定だったので、会としては残念なのだが、実は僕自身、風邪気味だったりした。

ぽっかり空いた休日なので自宅でのんびりTVを見てたのだが、その中でサッカーJ2からJ1に昇格の最後の切符を争う大分対千葉の試合は感動的だった。千葉は大分より最終順位が上なので、大分は勝つしかない。引き分けなら千葉が昇格となる。しかも国立競技場なので、千葉がホームといっても良い有利な環境だ。

当然のように試合を有利に運んだのは千葉だった。ボールを支配し、何度も大分ゴールに迫る。明らかに個人のテクニックとかチームとしての総合力みたいなものは、千葉が優っている。

でも、この勝負、最初から大分が勝つという予感が僕にはあった。そしてそれは会場にもTVにも、解説者にも(言葉に出せないけど)共有されていたように思う。僕はどちらのファンでもないが、いつのまにか当然のように大分を応援していた。

なぜなら大分には物語があったのだ。

大分は借金が3億円あり、それを完済しなければJリーグのチームとしての存続が許されなかった。だから大分は必至で努力した。一般の個人やグループから支援金を募り、メンバーは監督に到るまで街頭に立ち募金を呼びかけた。市民を初め、支援組織や企業の応援が実を結び、大分はついに借金を完済し、チームの順位も、J2の最終戦に加われる一番下の6位でかろうじて終えた。J2の場合、1位と2位は無条件で昇格だが、3番目の枠は3位から6位のトーナメントで争われる。6位の場合、2度続けて勝利しなければ上がれない。最終トーナメントの2試合のいずれも、引き分けは許されないのだ。

圧倒的に不利な条件の中、大分はしぶとく生き残った。その執念は国立競技場に現れた選手の全ての挙動に現れていた。もちろん千葉も本当に全力で走ったし、戦略的にも当然のすばらしい戦い方をしたと思う。

だが千葉は負けた。

勝敗を分けたのは、選手の差でも監督の差でもない、努力の差でもない。千葉の敗因は選手個々に帰することができない「物語の不在」そのものなのだ。

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