このシリーズも3作目の紹介だ。今回は彼らが町に出て運だめしをするというお話。町のくじ屋ではサッカーくじを書い、市場に行けば射的場で運だめしと、相変わらずののんきぶりである。
主人公のセーラーはその名の通り、昔船乗りだったという設定。だから別の巻では、腕にいれずみをいれてみたりする場面があるが、この巻では運だめしにサッカーくじを買う。そしてそのサッカーくじが果たして当たったのか?というところを読者が解明するのが、この本の一番楽しいところ。
ちなみにこの絵本で描かれているサッカーくじの賭け方は日本のTOTOに近い。というか、どちらもイタリアのトトカルチョを真似たものだと思う。複数の試合の勝ち負けあるいは引き分けを全て予想するのだが、自信がない試合には例えば、勝ちと引き分けの両方を賭けることもできる。その分掛け金が高くなる仕組み。
素晴らしいのが、スウェーデンがこの作品に絵本の賞を授与したことだ。もし日本だったら、PTAだの朝日新聞だのが、いれずみはけしからん、子供に賭けを教えるのか、と袋叩きにすることはあっても、決して賞をあげたりはしないだろう。
スウェーデンの国のメディアは少なくとも、人生が単純なものさしで測れないこと、人生は楽しむべきものであることを知っている。
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