KATAGAMI Style展

アート

今日は体調を考慮して山の会はお休みしたのだが、代わりに評判の「KATAGAMI Style展」に足を運んだ。会場は丸の内の三菱一号館美術館。初めて行ったのだが、都会のオアシス的な緑のあるエリアの一角にある由緒正しき復元建築だ(写真の右奥の建物)。予想はしていたが、入るまでに30分待ち。もちろん本(ボルヘス)を持っていたので、別に退屈はしなかった。

内容は評判通りの面白さ。日本の型紙がヨーロッパの美術、工芸、ファッションに大きな影響を与えたことを、日本の型紙と欧州の作品の比較展示により明らかにしていくのだが、なにより型紙そのものが素晴らしい。これはウイリアム・モリスやバーン・ジョーンズが日本の型紙を意匠や背景として借用した、というような小さな話ではない。型紙は型紙として既に高度の芸術性と抽象性を有した存在であり、欧州は日本の型紙を初めとする文化に魅せられ、取り込まれてしまったということだ。

型紙には多様なパターンがあるが、やはり多いのは植物を基調としたものだ。型紙から生み出された花のイメージが江戸に溢れていたことは、江戸が文化的に圧倒的に豊かな社会であったことを示している。重要なのはその美しさ、豊かさが自然に根ざしていたことだ。展覧会場では型紙の様々な技法を解説したビデオが放映されており、型紙は現代にも伝承されているらしい。だが生活において自然との関わりが大きく損なわれた今、型紙に秘められた日本の美の資質が形骸化していくことは避けられないことかもしれない。

これは今年度の最も重要な展覧会のひとつである。でも残念ながら、この展覧会は明日で終了。

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