ペツェッティーノ

この絵本は、ある絵本との対比という点でとても興味深い。その絵本とは、そうあの有名なシルヴァスタインの「ぼくを探しに」である。「ぼくを探しに」の主人公が、自分の失われた部品を探すために旅に出るのに対して、「ペツェッティーノ」の主人公は自分が何かからこぼれた部品だと思って旅に出る。テーマが既に相補的だ。「ぼくを探しに」の形は(欠けてはいるが)円に対して、「ペツェッティーノ」は四角。「ぼくを探しに」はフォルムの面白さの絵本であるのに対して、「ペツェッティーノ」は触感的な色彩が特色だ。

ここまで書いて、この対比は鮮やかすぎることに気づいた。この2つの作品の関係、作者の関係は全く知らないが、後で作られたほうが先の方を意識して作ったことは間違いないだろう。

どちらが先であれ、このふたつの作品はいずれもマスターピースと呼ぶにふさわしい作品である。鮮やかな対比は普遍性の地平の先にあるのだ。

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