古代英雄七人の謎

豊田有恒はスーパージェッターと宇宙少年ソランの脚本を書いた人である。え、知らない、すいません。1965年頃のTVアニメです。

豊田有恒は本職はSF作家だと思うが、古代史関係の小説も面白い。で、この本は豊田有恒が、古代の英雄について推理と空想を膨らませたもの。

なんといっても日本の古代史における最大のヒーローはヤマトタケルだ。ヤマトタケルが大和朝廷が日本を統一する過程で諸部族と戦ったいくつかの人格を統合したものである、というのが大方の見解だろうし、豊田有恒もそれを否定しない。そこを豊田有恒が敢えて古代にひとりの悲劇のヒーローが存在したと仮定して、大和朝廷とヤマトタケルの謎に迫るという趣向である。

豊田有恒は古事記と日本書紀に神話が統合される過程で、いくたの伝承が葬り去られ、ヤマトタケルの物語も大幅な改編を受けたのだろうと推理する。ヤマトタケルは父親から困難な戦を命じられ、その戦の途中で息絶え、白鳥となって大和に戻る。日本神話とギリシャ神話の類似は有名だが、豊田有恒は、元の伝承にはヤマトタケルがギリシャ神話の英雄のように、死して神々の列に加えられたというエピソードがあったのではないかと推理する。

僕は子供の頃ギリシャ神話を読むのが好きだったので、この推理には深く頷いてしまった。パズルの最後のピースが合わさったような感じだろうか。もちろんただの空想と言われればそれまでだが、僕にとってはとても現実感のある空想なのである。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です