絵で見る江戸の町とくらし図鑑

これはとても楽しい本だ。 善養寺 ススムという人がこの図鑑における全てのイラストと文章を書いている。一応、江戸人文研究会編となっているが、著者が代表であり、多分ほとんどこの人の個人的所産ではないかと思われる。

とにかく江戸の様々な風物が楽しい。特に江戸という都市に生まれた種々雑多な職業が興味深く、次から次に紹介される職人、物売りや大道芸人の姿がイキイキとしており、眺めていて飽きない。江戸が本当に豊かで重層的な文化を持った都市であったことが実感される。

著者は元々はイラストレータらしいが、現代における浮世絵師兼戯作者といった風情だろうか。イラスト中心だが文章が軽妙で、軽すぎることも重すぎることもないのが良い。

時代小説のお供に、との副題があるが、確かにポケットサイズで江戸物を読むときにちょっと参照するのに良いだろう。ただ、イラストがとても良いので、もっと大判の本で出した方が良かったとも思う。いずれにしろとてもよくできた著作であり、図書館に必ず1冊はある、という種類の本になるかもしれない。

歴史,読書

Posted by artjapan