マーケティング・コンセプト

読書

最近は実用書が面白い。今回読んだのはマーケティング理論の大家、フィリップ・コトラーの本だ。コトラーの本は網羅的で体系的でしかも分厚いと相場が決まっているのだが、この本は違う。アルファベット順に80のコンセプトに、マーケティングの格言のような印象的な言葉を散りばめ、僕のような専門外の人でも読みやすいものになっている。格言といってもマーケティングの専門家のものとは限らない。

「ものごとの上辺しか見ない人間は、あらゆる物の価格は知っているが、何物の価値も知らない」

これは「価格」のコンセプトで紹介されたオスカー・ワイルドの言葉だ。それでは価格を知らない人間なら価値を知っているかと言えば、もちろんそうではない。市場というものを蔑視し、ひたすらに労働力を国営化しようとする民主党のような政党に価値というものが分かっているなら、目の前にあるような政治の混乱は最初からなかっただろう。

オスカー・ワイルドの警句の正しさを知るためには、菅首相ひとりを見るだけで十分なのだ。

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