英国の科学誌natureが今回の原発の問題を一般向けに解説した文章を、和訳してくれた人がいる。
福島の原発の状況はまだ落ち着いていないし、汚染水の問題は大きい、また放射能を閉じたループにするための計画も定まっていない。しかし、この記事をpart4まで読めば分かるが、科学の専門家から見て、日本で横行している終末論や悲観論は、いささか行き過ぎである。
今回の原発の事故に関する徹底的な検証は並行的に行われなければならないが、現在最も重要なのは、これから十年以上かかる後処理の包括的な計画を作成することだ。
報道によれば東芝といくつかの関連企業が、処理計画を東電に提案したとのことだが、同様の動きは他社からもでてくるだろう。おそらく処理方法に特効薬はなく、当たり前のことを注意深く、慎重に積み上げていくことになるように思う。
今回の震災で、原発の事故による直接のストックの毀損よりも、それに付随した風評等による経済的損失が莫大であることが分かった。僕はそもそも温暖化ガスを出さない原子力に反対ではなかったが、もはや日本で新たな原子力発電所の建設は不可能になったことは間違いない。
これから起こる確かなことは、放射能と地政学的なリスクを嫌って、世界で日本製品離れが顕著になることだ。日本政府は早めに日本という国の新たなマーケティング戦略をたてて、日本離れを打ち消すメッセージを発信することが求められる。もはや批判の時期は過ぎた。今は前を向いてアクションを起こす時だと思う。
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