バルガス・リョサの「継母礼讃」 福武書店
リョサを読むのは初めてだったが、ギリシャ的演劇性を下敷きにしたエロティックな作品で、ノーベル賞を受賞したこの作家としては特異な作品だと思われる。物語はラテンアメリカ的な魔術性よりも西洋的でキリスト教的な世界観の中に構築されており、それでいてボルヘスやガルシア・マルケスにない軽やかさみたいなものを感じる。
僕として面白かったのは絵画がいくつか出てくる事である。小説の中に現実の絵画が掲載されており、絵にまつわる謎が物語のスパイスになっている。でもどう見ても最初に読むリョサとして最上の本じゃなかったと思う。
ところで、今日からBSフジで絶景百名山という番組が始まった。山の会の方に教えてもらったのだが、第1回目は奥穂高岳。年に1日しかないと言われる紅葉の最高の日にロケが行われており、素晴らしい風景が楽しめた。風景だけでなく、山に魅せられた人にも焦点が当てられており、楽しめる番組となっている。これから毎週楽しみである。
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