さて今年は何を読もうか

年末最後に読んでいたのが、池尾和人と池田信夫による「なぜ世界は不況に陥ったか」だった。

2009年は経済とか経営とかの本を比較的多く読んだが、別にこの領域が好きだと言う訳ではない。むしろこれらは苦手な領域だ。ただ日本の経済状況があまりに深刻なので、自分なりに勉強すべきと思ったからに過ぎない。でもおかげで少しは経済学の基本的な概念や方法論が分かってきた。僕の好きな古代史とは全く違う世界なのだが、ひとつ共通する部分がある。それは専門家と称する人達の結構な割合の人が、間違っているということだ。

例えば古代史の最大の謎のひとつである邪馬台国論争には近畿説と九州説があり、どちらかが間違っているはずだ。学会でもマスコミでも近畿説が主流だが、自分で勉強して見ると近畿説の根拠は極めて脆弱、というか、論理的に無理があることが分かった。ちなみに考古学の基本は年代論なのだが、近畿説はここを意図的に操作している現状がある。

経済の世界でも現在進行中の基本的な論争があって、それは日本への処方箋として金融緩和や財政出動等の金融マクロ政策が有効か否かどうかという問題だ。こちらはリアルな外部状況に依存するので単純な問題ではないのだが、有効性の認識は基本的にどちらかが間違っている。こちらも自分で勉強してみると、ばらまきと称されるマクロ政策をいくら推し進めたところで、問題の解決にならないどころか、先送りによる問題の構造化の弊害のほうがはるかに大きいということを学んだ。

はっきり言って日本のマスコミにしろ政策担当者にしろ勉強が足らないし(前述の本の第6章を読めば日本への処方箋の方向性は明らかだ)、現実を直視することができていないと思う。ある種の幻想に囚われた人たちが政策を推進しているのが怖くなる。

年末はDVDもいくつか借りて楽しんだのだけど、その中で「バーン・アフター・リーディング」という映画があった。ブラッド・ピットやジョージ・クルーニー等の大物俳優が出演するのだが、財務省の役人やCIAを含めて出てくる人たちがみんな愚かに行動し、それが連鎖していくという映画だ。ハリウッドスターで誰が一番うまくバカを演じられるか、というのを競っているとしか言えないような映画なのだが、まるで日本の政策状況を見ているような気がしてきて、(映画の出来というより)笑えなかった。

今年は世界で一人負け状態だった日本経済が復活し、僕が古代史やアートの世界の読書に没頭できれば良いなと思う。

P.S.ブログのテーマ画像をご来光にしました。あらためて、明けましておめでとうございます。

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