僕は着るものにはあまりこだわらないのだけど、唯一浪費を続けてきたのが靴だ。別に靴が好きだと言うわけではなく、単に足に合う靴が見つからなかったのだ。合うかもしれないと思って買っては合わずに捨てる、ということを繰り返してきた。

問題は僕の足が標準的な甲高、幅広ではなく、甲低、幅狭だということだ。特にかかとがとても狭い。世の中には僕のような足形の人もある割合存在するはずなのだが、なぜか市場にはほとんど出まわらない。海外の靴も幅が狭いタイプは輸入されずに、幅が広いものだけが輸入されているのが実情だ。

でも最近、やっと最低限抑えるべきポイントが分かってきた。それまでは幅の狭い靴を中心に探していたのだが、一番重要なのは甲の高さなのだ。正確に言えば甲が低いというより、甲がつま先から持ち上がる角度が低いのだけど、足が靴の甲で止まらないため、歩くとつま先が常に靴の先に当たることになる。ここさえ押さえれば、多少幅が広くてもなんとかなることが分かった。ちなみに登山用の靴は足首で止めることができるので、これまでも比較的問題が少なかった。

色々と探した結果、アメリカのあるブーツのメーカーの靴が僕の足にあうことを突き止めた。このメーカーも幅の狭いタイプは輸入されていないのだけど、とにかく甲がぴったりフィットする。そして執念で池袋にそのメーカーの専門店を発見した。

ついに足にあう靴にめぐり合った僕は、フットワークも軽く、嬉々として外出しているのです。

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