綺想迷画大全

中野美代子の「綺想迷画大全」飛鳥新社

西洋から東洋へのあこがれ、東洋から西洋への幻想が、画像としていっぱい詰め込まれた本。好きなんですね、こういうの。

まず画像サイズが大きくて、印刷がきれいです。それから必要に応じて拡大図が付いている。それから文章を読みながら画像を無理なく参照できる。これって当たり前のことのようですが、意外とできてない本が多いのです。

この本でカルロ・クリベッリという画家を始めて知りました。どうやら15世紀頃の人らしい。受胎告知などのお馴染みの題材が、この画家の手に掛かると謎めいた細密画に変貌し、僕らの想像力を刺激します。

例えばクリベッリの絵にはくだもののように人間の頭が生った木WakWakが登場します。これは当時のアラブ世界で流布された伝説で、中国が倭国をWa-Kwakと呼び習わしたものが遠く伝えられたものだ、という真偽も定かでない話が添えられています。

この本は中野美代子が「歯医者さんの待合室」という雑誌に連載したものを編集したものだそうですが、確かに目の前の現実から逃避したくなる歯医者さんの待合室こそは、この本の正しい居場所かもしれません。

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