怪獣博士 大伴昌司展

読書

今日は雨で山の会OWC山行が中止。富士山の六合目までという味のある企画だったので残念。家でくすぶっていても仕方がないので、例によってマイナーな展覧会に行く事にした。

今回は1960年台、怪獣やSFメカなどを少年雑誌の図解で解説してくれた大伴昌司の展覧会。会場は本郷の東大裏にある弥生美術館である。僕らの子供時代誰もが夢中になったウルトラQに始まるウルトラシリーズの怪獣。その内部構造がよく分かる解剖的な図解を、目にしなかった男の子はいなかったと言って良い。当時は大伴が手書きで原図を書き、プロのイラストレータが作図していたのだが、今回の展示会ではその両方が展示されていた。いま見てみると、大伴の手書きはとても詳細で、大伴が書いた細かい内部の構造や注釈がほぼそのままイラスト化されていたのが分かる。大伴は細部に神が宿ることを熟知していた。科学特捜隊の本部の内部構造やカネゴンは一日に3,520円のお金を食べる、なんて注釈のある原画が懐かしい。

大伴昌司は子供時代をメキシコで過ごしたのだが、その頃からタイム誌やライフ誌がお気に入りだったらしく、アメリカのパルプマガジンも膨大に所有していた。また、現地のピラミッドに大きな影響を受け、空想的で視覚的な世界観を作り上げた。大伴は日本のSF小説の普及などにも貢献し、マルチな活躍を続ける中で36歳の若さで急逝する。

大伴昌司こそは来るべきグラフィカルな時代の予言者だった。偉大な予言者に敬意を表して、僕の部屋には会場で買ったポスターを飾った。

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