確実にやってくる超高齢化社会。この本は地味ながら、豊富なデータと確かな事実認識により、来るべき超高齢化社会への正しい向き合い方を教えてくれる。社会としての高齢化という問題がまず語られるが、少子化はもちろんだが、日本人の寿命が確実に伸びたことも大きい。
だが問題は、75歳以上のいわゆる後期高齢者への対応だ。後期高齢者という言葉だけで批判がされたが、実はデータを見れば人はほぼ75歳を境に、人の健康のモードが切り替わる。75歳を境に疾病予防を軸とした施策から生活機能の維持・向上と介護状態となることへの予防という質的転換が必要となるのだ。政策的に遺棄された後期高齢者医療制度は、実は科学的な合理性を有していたことが明らかにされる。
この本で繰り返し語られるのが、健康の指標としての歩く能力だ。老化は足から、というのは科学的に正しく、健康を維持することは歩く能力を維持することに他ならない。これについては山歩きをやっているからといっても油断はできない。山歩きはせいぜい2週間に一度しかできないので、短時間でも毎日歩く方が健康という観点からは望ましい。でもリタイアしたら、毎日歩くこともできるだろう。
いややっぱり毎日山歩きかな。
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