プラットフォーム戦略

読書

大前研一氏が今後の世界を規定するグローバルな「場」の原理として初めて、「プラットフォーム」という概念を提唱したのが2001年である。Googleやfacebookはまさにこのプラットフォームをグローバルに構築して現代における輝ける勝利者の仲間入りをした。

この本はプラットフォームの概念が、IT業界に特有のものでなく、むしろ我々のビジネスの原理として一般的なものであり、それに立ち向かうためには確固とした戦略が必要であることを説く。

今のところ日本はこのグローバルな戦いで劣勢を強いられている。主戦場は既にモノからシクミ、ハードウエアからソフトウエアに移行しているのだが、残念なことにその現実を直視できない経営者が多すぎるようだ。

この本はビジネススクール的な研究をベースとしており、SONYやIBMなどの著名な敗北の具体例を参照し、具体的な戦略のフレームワークを提唱している。

日本企業の戦略性のなさが身に染みる内容だが、この本の最後に「プラットフォームがつねに栄枯盛衰の世界であり、先駆者の成功例、失敗例を学ぶことによっていまからでも日本企業が世界に飛翔することは可能」と結んでいることは、決して本を売らんがための誇張でも希望的観測でもないと思う。

やるべきことははっきりしている。戦いはこれからなのだ。

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