贈与論

マルセル・モースの「贈与論」(ちくま学芸文庫)

「交換」「神話」「フィールド・ワーク」「ポトラッチ」・・・レヴィ=ストロースを初め、現代の思想家に計り知れない影響を与えた不朽の名作。やはり一度は読んでおきたかったというのが、正直なところです。

内容についてはいまさら、僕がどうのこうの言うことはありません。感じるのは、時を越えて読み継がれる著作というものは、分りやすく簡潔な論理で書かれているということです。もちろん、このような革命的な著作が出たときに、他者がその価値を認めることができるかどうかは、また別の問題になりますが。

驚くべきことは、日本ではこの名作を文庫本で誰でも手軽に読めるということかもしれません。こんなことが可能な国は、世界を探しても日本だけでしょうね。本の「神話」を剥ぎ取ってしまう「文庫本」というメディアへの批判も可能ですが、そのような問題の立て方でさえ、モースの知見の延長線上にあるのです。

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