サンダーバードはいずこ

メキシコ湾原油流出事故、これは既に取り返しのつかない大惨事である。まだ流出を止めることさえできないのだ。

僕が良い子だった頃、こんな非常事態には必ずサンダーバードが助けてくれたものである。というジョークもちょっと虚しい。そもそも若い人には通用しないかもしれない。改めて説明すると、サンダーバードは1965年に始まったイギリスのTV番組である。操り人形を用いたSF特撮番組なのだが、人類が直面する危機に対応するため米国の大富豪が国際救助隊を設立し、彼の5人の息子がいざ危機が発生したらロケットや各種の救助メカで出動、問題を解決するというお話。

もしサンダーバードなら、運搬専門の2号が潜水艇の4号を載せて出動してとっくに流出を止めているだろう。なんといっても1時間枠の番組である。

見ていた頃、僕は同時代の物語だと勘違いしていたのだが、サンダーバードは近未来の話として作られていた。物語の設定ではサンダーバードの設立は2026年のことである。

サンダーバードはないのだから、海底油田に依存したエネルギーシステムは自己完結的でなければならない。にもかかわらず破壊的な環境負荷をもたらす原油の流出事故のようなリスクに対する、防御システムが全く不備である。7年をかけて60億キロの宇宙航行を成し遂げたはやぶさは、人類に対するリスクはほぼ皆無だが、いざと言う事態に備えて何重ものバックアップシステムが用意されていた。BP社の手抜き工事が指摘されており、それも重大な問題だが、それ以前に人類のエネルギー供給というシステムの設計思想そのものが間違っているのではないか。

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Posted by artjapan