日本美術の発見者達

「日本美術の発見者達」は、縄文を発見した岡本太郎、木喰を見出した柳宗悦、曾我蕭白を発見した辻惟雄、超芸術トマソンを創造した赤瀬川原平等、日本の美の新しい形を発見した先駆者達が、いかに「眼の革命」に到達したかを描いたものです。

本文を書いた矢島新という人は全然知らなかったけど、松涛美術館の学芸員らしい。だけど昔から岡本太郎、赤瀬川を愛読し、山下裕二や辻惟雄に共感する僕にとっては、ほとんどが既知の物語、問題意識であり、取り上げられた作品も(膨大な作品を残した木喰と円空を除けば)初見のものはほとんどなく、なんか「おさらい」って感じでした。

これに対し、「後書きにかえて」と題した巻末の部分での山下裕二と辻惟雄の対談はやっぱり、役者が違うというか、面白かったです。美術評論の主流から距離を置き「奇想」を追い求めた辻ですが、この本で発見者の一人としての「権威」になっていることは、ちょっと迷惑だともらしている。

以前読んだ辻の「遊戯する神仏たち」で、僕は辻の「仏教美術が苦手だ」という言葉にほっとするような共感を抱いたのですが、ここで山下裕二がはからずもその言葉の意味を辻に聞いていました。辻の答えを読むと、どうやら辻は本当にそう思っているらしい。

辻は「奇想」の日本美術として蕭白、若冲以外にも、岩佐又兵衛を「発見」しているのですが、以前サントリー美術館で見た又兵衛は本当にすごかった。この本でも又兵衛の絵巻の部分が出てきますが、その絵がカラー刷りでないのが残念です。

アート,読書

Posted by artjapan