プレステージ

本を読むのも好きですが、映画も結構好きです。最近では、映画館でビートルズ世代必見のミュージカル「アクロス・ザ・ユニバース」を見ました。僕は正確にはポスト・ビートルズ世代ということになりますが、それでもビートルズの曲と共に、ベトナム戦争、反戦、ヒッピーの時代がよみがえって懐かしかったです。それから「ダークナイト」、これは評判に釣られて見てしまったのですが、ジョーカー役のヒース・レジャーが素晴らしい演技だった以外は、ハリウッドの大仰なアクションに食傷気味の僕としては、あまり感情移入できませんでした。

たくさん本を読んでいると、映画の途中で原作を読んでいたということに気づいて、あれっと思うことが時々あります。

数日前もそういうことがありました。レンタルショップでヒース・レジャーの名前を見つけたので、「プレステージ」という映画のDVDを借りたのですが、見始めたらなぜか僕はこの映画の結末を知っているのです。映画を見終わった後で本棚を見てみたら、原作の日本語題は「奇術師」でした。ちなみに世界幻想文学大賞を受賞した名作です。

原作は非常に複雑な構成で組み立てられているのですが、映画では、ふたりのマジシャンが「瞬間移動人間」というマジックで競い合うというベースのプロットだけを取り出してうまく作っていました。ですから、結末が分っていても、細部が異なっていても、それなりに楽しめました。でも原作の中に「Prestige」(効果あるいは惑わし)という言葉が出ているのを、すっかり忘れていたのですから、僕の記憶力はほんとに頼りにならないです。