邪馬台国の会

日曜日に「邪馬台国の会」の講演会に行ってきました。邪馬台国九州説の安本美典先生が主催する会なのですけど、近畿説の石野信博先生との対決対談だということで、久しぶりに参加しました。

安本先生は、近畿説がいかに根拠がないかを相変わらず元気に主張されていました。一方、対する石野先生は、配布資料との関連が分らないし、なにを言っているのか、論旨不明。眠くなりました。面白いバトルを期待していた僕としては、残念です。かなり前の対談になりますが、考古学者として高名なあの佐原真先生でさえ、安本先生にはたじたじだったのですから、しかたがないです。でも近畿説の人の中でも、安本先生の講演会に来てくれる佐原先生や石野先生は、学者としては良心的です。近畿説の方のほとんどは、検証なしの仮説を言いっぱなしで、根拠のある批判に対するまともな反論など皆無です。

面白かったのが、対談ではなく、会員の方による考古学協会総会の報告でした。歴博(国立歴史民俗博物館)が例によって箸墓古墳を炭素14年代法から(卑弥呼の時代と重なる)3世紀中ごろとピンポイントで特定しているのですが、同じく歴博からの他の報告で炭素14年代法の限界を報告しているのだから、ほとんど支離滅裂です(炭素14年代法では方法論的に100年程度の誤差は避けられない)。

歴博の懇意的な情報の取捨選択、自らに都合の良い研究への助成金の給付の実態は、2000年11月の「発掘捏造事件」にそっくりだという指摘は、決して誇張ではありません。信じられないかもしれませんが、日本の考古学会の実態って未だにこの程度なのです。驚くべきことですが。

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