空海展

歴史

今週夏休みなのだが、特に予定を入れていない。1泊で八ケ岳連峰の主峰、赤岳に登ろうかと思ったが、天候も安定せず、結局先送りにした。

今日はといえば、上野の国立博物館で行われている空海展に行ってきた。NHKが空海の特集を組んだりしているので若干の不安があったが、平日だし大丈夫だろうと思っていた。でもこれが甘かったのである。山手線並の混雑である。特に音声ガイドは長い列ができていた。

空海といえば、まず書である。僕は字がへたなので、うまい人が正直羨ましい。空海ともなると日本の歴史上一番という人なのだから、僕が何かを言えるレベルではない。ただただ美しいとしか言いようがない。

密教の仏具なんかも色々と展示されているが、今回の展示の目玉といえば、やはり仏像である。密教だから明王像が多いかなと思ったが、そうでもない。西大寺、醍醐寺、神護寺などから空海の時代の優品が集められているが、最後に東寺の仏像曼荼羅が展示されていた。仏像曼荼羅は密教の曼荼羅の世界を、空海が東寺において仏像の配置で現したものだ。

曼荼羅なのだから、中心は大日如来で、その回りを菩薩、明王、それから四天王や帝釈天、梵天が取り囲む。ところが今回、展示されていたのは、東寺の20数体の内、8体のみである。それらを持ってくるだけでも大変なことなのだろうが、曼荼羅は位置関係が命である。だから中心の大日如来は持ってきて欲しかった。もしかしたら東寺の中心を占める如来像群は火災による後補なので、持ってこなかったのかも知れない。ちなみに東寺の如来像群は全て重要文化財で、それを取り囲む菩薩とか明王はほとんどが国宝である。

曼荼羅としての展示に完全性がない部分にはちょっと不満だったが、やはり東寺の仏像群、特に明王像は迫力があった。美男?の仏像として有名な帝釈天騎象像(写真に見える象に乗った仏像)もあったが、やはり密教は明王像に限る。

コメント

タイトルとURLをコピーしました