大きい波は続けて3つやってくる

3月号のillustration誌は、村上春樹とその多くの作品の表紙を担当したイラストレーターの安西水丸の特集だった。村上春樹の「夢のサーフシティ」の表紙では、村上がサーフィンをしている絵が用いられた。このふたりの周辺にはまったくのんきというか、気楽な雰囲気が充満している。子供時代を千倉で過ごした安西は、大きい波は続けて3つやってくると書いている。

だけど、この言葉を目にして僕が連想したのは津波だった。少し前にこのブログで震災の前と後の変わり様を、村上春樹の1Q84のようだと書いた。このillustration誌の編集の時にも、関係者に悲劇の意識は全くなかっただろう。だけど3月11日に全てが変わってしまったのだ。

ところで、村上春樹は時々道で知らない人に声をかけられるという。彼らは安西の書くイラストで知っていると、くすくす笑うのだそうだ。村上春樹本人は安西の書くイラストのような単純な顔であるはずがないと主張するのだが、そうだとしてもこれは村上春樹そのものだ。

今では僕は、安西水丸という相棒のいない村上春樹を考えることが出来ない。それほどこの二人の組み合わせは見事だ。

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