大人のための文章教室

清水義範の「大人のための文章教室」  講談社現代新書

常々いやみなおじさんになりたくないと思っているのだが、最近、あまりにだらしない政治の動向について、このブログで批判めいたことを書いていることが多い。でも自分の考えなり、意見を分かりやすく書くことは想像以上に難しいものだ。思ったように伝えられない自分を発見してはがゆく思うことも多い。

というわけで文章の達人、清水義範の登場なのだ。

清水義範のパスティーシュ(文体模倣)はまさに達人の域だ。カメレオンのように、どんな作家にもやすやすと化けてしまう。どんな技術も模倣から始まるのだから、文章がうまくなりたいなら、まず清水義範を研究すべきだ。と論理的に考えた訳ではなく、実はなんとなく借りてしまった。

でもさすがに清水である。文体論をぶっているわけではないのだが、なるほどね、と思う具体的なヒント、技術がこの文章教室にたくさん散りばめられている。そして最も重要なことは、やはり書くこと、つまり量をこなすことであるらしい。なるほど。

しかし残念なことに、文章の品格だけは、技術ではない、と書いてある。あたりまえだが、文章の品格を決定するのは、その人の人間性なのだ。

とすれば、あがいてもしかたがない。自分に正直に、気楽に書くことにしよう、と結局は開き直ってしまった次第である。

コメント

タイトルとURLをコピーしました