思考の整理術

前野隆司の「思考の整理術」

ずっと前に外山滋比古の「思考の整理学」を読んだ。忘却することと思考を整理、整頓することの大事さを言っていたと思う。本の内容をきちんと思い出せないのは、整理、整頓が足らなかったためだろうか。

今回読んだ前野隆司の「思考の整理術」も言っていることはかなり近い。どちらかと言えば忘却の大事さを強調し、その技術を記述しているのだが、具体的なテクニックを記述している訳ではない。むしろ記憶の整理・整頓を行うことにより、全体像がすっきりし、物事を俯瞰することができるメリットを強調している。知識や経験は時に新しいアイデアの邪魔をするのだ。

外山滋比古の「整理学」はインターネットの一般的でない時代に書かれたものだが、前野隆司の「整理術」は昨年書かれたものだけに思考を整理する行為としてのブログの効用も出てくる。だが残念ながらツイッターへの参照はない。僕はブロガーだがツイッターは全然使わない。その理由はブログが思考を構造化し、物語として再構成することを要求するのに対して、ツイッターには構造と言うものがないからだ。結果としてブログには記憶を整理する効用がある。

「術」は「学」よりテクニカルな内容を含むべきだと思うのだが、この「術」はどちらかといえば散文的な内容にとどまっている。もし、前野隆司がブログとツイッターの比較を用いて、思考を整理する方法を論じたなら、「術」というに値する内容になったと思うのだが。

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