大和三山の古代

この本は上野誠が古代の時代から記紀や和歌の舞台となった、大和三山にまつわる物語や思考をまとめたものです。大和三山とは、飛鳥の地をとりかこむように存在する香具山、耳成山、畝傍山を言うのですが、実は最も高い畝傍山でさえ、200mに達しない低山なのです。

低山専門の僕でも登る山の平均は千m程度になりますから、これらの山々は登山感覚的には、丘と言ったほうがより近いです。でも古代における三山はとても特別な、大きな存在でした。

例えば古代史の英雄中大兄や万葉の歌人額田王は、好んでこの三山を舞台とした歌を読みました。上野は、それらの歌にタイムカプセルのように封印された言葉を、解きほぐし、歴史との対比において蘇らせます。

中大兄が読んだ歌で三山の三角関係を詠んだものがあり、その中でどの山が男でどの山が女かが、古来から議論の的だった、などという話は、興味深い。僕は和歌を楽しむような趣味人ではないので知らなかったですが、現代まで結論が出ていないとても有名な学問上のテーマらしい。

しばらく奈良には行ってないですが、今度行く機会があれば、三山を歩いてみたいです。

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