呪の思想

白川静、梅原猛の「呪の思想 対談」(平凡社)

白川静と梅原猛。この現代日本を代表する二人の碩学が、古代中国を語ったものです。中国の古代史については、全く興味がなかったのですが、やはりこのふたりが語る中国はめっぽう面白く、ちょっと興味が沸いてきました。

日本は古代から中世に至るまで、中国の圧倒的な影響下にあったのですが、日本人は中国文化を様々に変容させ日本的なかたちに受容してきました。だから、影響の大きさに比して、日本人の中国文化への親しみって、今でもすごく少ないですよね。

でもここで白川が語る中国は、政治権力を縦横に駆使した漢民族の中国ではなく、今から3千年以上前の殷の時代の中国です。白川は殷に代表される黄河流域の文明の呪術、神話について語るのですが、それが日本の縄文時代と同様の呪術的世界だったと言う。中国にはほとんど体系化された神話はないのですが、それでも文明の始まりはやはり神話の世界なのです。

この本には、殷の時代の青銅器や儀器の写真が掲載されているのですが、確かに濃厚に「呪」のにおいがする。ちなみにそれらの多くが日本の泉屋博古館の収蔵品です。ここは住友の中国コレクションを展示してあるところですが、なんとその分館の所在地は六本木、それも僕の職場のあるビルの敷地内にあるのです。

そんなに近くにあるのに、中国古銅器のコレクションなので、これまで敬遠してきたのですが、なんか興味が出てきたので来週のお昼にでも行ってみようと思います。

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