昆虫 4億年の旅

9月 19

東京都写真美術館で開催中の、今森光彦の写真展に行ってきました。

自然の美しさ、驚異、豊穣さが、昆虫という形に凝縮したような写真展でした。この展覧会の写真は全てインクジェットプリンタで印刷されていましたのですが、通常の写真プリントに劣ることは全くなかったです。その中でキサントパンスズメガがホバリングしながら、10cmほどもある口吻を伸ばして彗星ランの蜜を吸っている一瞬を捉えた、驚異的な写真があります。

今森はその瞬間を撮るために3週間を要したそうですが、その写真こそアルフレッド・ウォレス(ダーウィンとほぼ同じ時期に進化論に到達したあのウォレスです)が、口吻の長い生き物が受粉を助けていることを予言したことを、100年後に実証したものでした。

写美の解説に、ウォレスは捜し求めた昆虫に出会ったときに興奮して熱を出したという逸話に今森が共感した、ということが書かれていました。今回の展示の中には今森の日記がありましたが、とても精緻なスケッチと細かい観察がびっしりと書き込まれていました。今森は写真家という以前に、すぐれたフィールドワーカーなのでしょう。偶然にあのような素晴らしい一瞬に遭遇することは、決してできないのです。

アート

Posted by artjapan