論理パラドクス

三浦俊彦の「論理パラドクス」(二見書房)

「すべてを疑うか、すべてを信じるかは、二つとも都合の良い解決法である。どちらでも我々は反省しないですむからである。」アンリ・ポアンカレ  

最近とみに頭の働きが鈍くなってきたと感じているので、論理学のクイズの本を読みました。哲学的には「問題」とは、論理的に正解がただひとつに決まるパズル、正解があるはずなのに常識と合致した答えが見つからないパラドクス、そして常識と合致した答えが複数見つかるが互いに矛盾しているジレンマの3種類に分けられるのだそうです。この本では、哲学、論理学、社会学で検討された有名な問題、名うての難問から99問が取り上げられています。

僕はどちらかといえば直感型の人間だし、中々の難問ぞろいだったので、正直解けた問題は少ないのですが、これがどの種類の問題なのか、という思考が楽しかったです。中には正解が自分の直感と全く相容れないような問題があることに驚きました。そのような問題の中には著名な数学者が間違ったものもあるのですから、まあ直感的に理解できなくても仕方がないとは思いますが。

少なくとも、茂木健一郎がメディアで宣伝するアハ問題よりは、自分の脳の活性化に役立ったと思います。

東野圭吾の「ダイイング・アイ」(光文社)

この本は伝統的な推理小説ではなく、やや伝奇的な味わいのある小説でした。東野圭吾を読むのは2冊目なのですが、確かに巷で言われるように多彩な作風を持っています。読者を飽きさせない語り口のうまさも抜群です。でも伝奇的な小説を読むなら、僕は今でもやっぱり江戸乱歩だな、と思ってますが。

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