アメリア・アレナス「なぜこれがアートなの」(淡交社)
アメリア・アレナスという人は、MOMAの教育プログラムの専門家としてギャラリー・トークで人気を集めた人らしい。この本では沢山のアート作品が、写真入で紹介されているのだけど、美術史のどこに位置するのか、という視点にあまりこだわらず自分の言葉で語っているところが良かったです。現代アートって、難しく言おうとすると、どこまでも難しく言えるしろものなのですが、アレナスは徹底的に専門用語を廃し、分りやすい言葉で作品の魅力を語ります。
この本の制作には川村記念美術館が大きくかかわったようで、同美術館の作品が多く参照されていました。ちなみに川村記念美術館って、総武線佐倉駅からバスで30分くらいかかるちょっと陸の孤島的な美術館なのですが、収容作品の質は高いし、庭がきれいで、ピクニックを兼ねて一度は行ってみる価値があります。収蔵作品で僕の記憶に一番印象深いのは(別に好きという訳ではないけど)妙に頭の奥の方に響いてくるマーク・ロスコでしょうか。
現代アートといえば、最近また村上隆のPodcastを聞き始めました。ここ数回はNYで開催中の個展にまつわる話がメインだったのですが、準備のため現場で寝泊りして背中が痛くなった話とか、友人の米国人作家の誕生日パーティに行く途中で渋滞した話とか、朝霞(彼のアトリエがある)のラーメン屋はおいしくないとか、全く取りとめもないトピックばかりなのです。いつもこんな感じのハチャメチャな内容なのですが、アートの最前線の様子が伺えるし、3分ほどの短いプログラムなので、最近は気分転換目的に聞いてます。
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