Stay hungry. Stay foolish.

Podcastの番組をチェックしてたら、AppleのSteve Jobsが2005年にStanford大学の卒業式で行った講演のビデオを見つけたので、今回それについて。

マッキントッシュを作り出したAppleやアニメーションスタジオのPixarの創立で既に生ける伝説となったSteve Jobsですが、ロックスターに比べられるような超有名人というより、大学の先生といった風貌です。

彼はここで、生い立ち、短い大学生活、Apple創設と追放、Pixar創設とAppleへの帰還、そして生と死についてなど、彼の波乱にとんだ人生のいくつかのトピックを語ります。彼は通常の大学教育に満足せず、大学を短期間でやめた後、彼が魅せられたCalligraphy(書道、アルファベットだけど)の専門コースを受講するのですが、後にAppleでマッキントッシュを作ったときに考えたのが、Calligraphyのように美しいフォントを持つコンピュータでした。

そう、彼もまた美に魅せられた先達のひとりなのですね。確かにAppleの製品、特に初期のものは美術館に飾られることがふさわしいようなデザインを持っています。僕も今はWindowsのPCを使っていますが、ずっと以前はマッキントッシュ・プラス(電源が弱くてよく壊れましたが)を愛用していました。

もうひとつ彼のスピーチで記憶に残ることは、1960年代から米国で始まったいわゆるCounterculture(ヒッピー、DIY、etc)ムーブメントの申し子のようなカタログ雑誌The Whole Earth Catalogが、コンピュータが普及する以前のGoogleに匹敵する偉大なサーチエンジンだったと述懐していることです。Jobsはその最終号に書かれた言葉を最後に引用して話を終えます。 Stay hungry. Stay foolish.

Hungryであることは可能でしょう、でも彼が言う意味でFoolishであることはとても難しいことです。(フェルマーの最終定理で言及した)谷山・志村予想を提示した志村五郎は、後に谷山豊のことをこう言っています「谷山は、たくさんの間違いを犯す。それもたいていは正しい方向に間違うと言う特別な才能に恵まれていた。」

つまるところ、天才とは、美に魅せられ、常人ができないほど魅力的な間違いを犯す人種のことなのでしょう。

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